家族向けのゲームイベント「埼玉ゲームシティ」 レポート&主催者インタビュー

2019年3月2日より2日間にわたって「埼玉ゲームシティ」が開催されました。ファミリー向けのゲームイベントということで、その様子を細かくお届けします。360度パノラマで会場をグルグル見渡したり、主催者インタビューも伺ってきました。

会場は大宮駅からすぐ!

「埼玉ゲームシティ」の会場は大宮駅西口を出てすぐのところにあります。
大宮駅西口を出ると百貨店などの巨大施設が見えてくる。
ソニックシティの外観。

会場の様子いろいろ

会場はソニックシティ地下1階のフロアを貸し切って行われます。
階段を下っていると、目の前に高さ7mの巨大マリオが迫ってきます。

小学生数人がたむろしていたり、小さい子供が満面の笑みで走り回ったりと、和気あいあいとした雰囲気に包まれています。

新作・人気ゲーム体験コーナー

このフロアは、子供向けの人気ゲームのブースが設置されています。
A列車で行こうExp.やシャドウバースの体験、さいたまeスポーツ協会による対戦会など、様々なゲームを体験することができます。
特に小学生たちがニコニコしながらシャドウバースを体験する様子は、将来のeSportの発展を物語っているようです。

フロアの奥では有名YouTuberによる実況イベントなどが行われており、フロアを埋め尽くすほどの参加者で賑わっています。
さいたまeスポーツ協会による対戦会。
各ブースには多くの列ができている。

人気ゲーム体験フロアの360度パノラマ

あそぶ!ゲーム展

「あそぶ!ゲーム展」のフロアでは、初回300円の入場料を払い、手の甲にスタンプを押してもらって中に入ります。
そこには大昔の筐体アーケードゲームがずらりと並んでおり、どれも無料で遊ぶことができます。
ゲームの原点ともいえる卓球ゲーム「PONG」や、ナムコのインベーダー、はたまた1958年に開発された最古のゲーム「Tennis for Two」の再現機まで展示されています。

フロアは荷物を持っての移動が困難なほどに、多くのお客さんで賑わっており、一つの筐体を遊ぶのに15分以上並ぶ人気のゲームもあるようです。

「あそぶ!ゲーム展」の360度パノラマ

30年前の筐体を遊ぶ親御さんと、その隣で観戦する子供さんの様子は、何とも感慨深いですね。
そして特に驚くのは、その子供たちが30年前の筐体を興味津々に遊んでいることです。
SwitchやPS4などの、リアルで最高のエンターテイメント性を極めるこの時代に、子供たちはドット絵の単純なゲームに惹かれているのです。
もしかするとゲームの面白さというのは、30年前と変わらないのかもしれません。
1975年に誕生した「スピードレースデラックス」。
1972年に誕生した卓球ゲーム「PONG」。世界にゲームを広めた最初の筐体として有名。
ナムコより1981年に発売された「ニューラリーX」。
1958年に開発された世界最古のテレビゲーム「テニス・フォー・ツー」。実物を展示することは不可能に近いため、エミュレータが展示された。

ゲームワークショップ

ゲームワークショップでは、スクラッチという子供向けのプログラミングソフトを使って、インベーダーゲームを制作しています。
親子15組がPCを持参して参加しており、一つの授業参観のような雰囲気を漂わせます。
後ろのドアがばたんと閉まると、子供たちが一斉に後ろを向く様子は、まさに学校の雰囲気そのままでした。
ワークショップの様子。
子供たちは皆、静かに先生の話を聞いて制作を進めています。
プログラムが完成した時、みんなのPCからキューンキューンというインベーダーの効果音が鳴り始めます。
ここで盛り上がって、ワーイ!!と賑わうのかと思いきや、やはりプログラミングの世界は少し違うようです。

私のITエンジニアをしていた経験からすると、やっと完成したプログラムに対しては、喜びよりも脱力感の方が感情としては遥かに大きいのです。

そして最後にはプログラミングの終了証を受け取って、親子たちは会場を後にしていきました。
親子が一緒になって制作している様子。
子供たちが手を挙げて質問に答えようとする場面も。

最新ARスポーツ

ARスポーツのフロアでは、最大4人組がヘッドマウントディスプレイを付け、目の前に現れるモンスターを倒していきます。
子供たちは力いっぱいに体を動かしてモンスターたちを倒そうと奮闘します。

来場者インタビュー

埼玉ゲームシティに参加していた方にもお話を伺うことができたのでご紹介します。

ワークショップに参加していた親子

-私- こういうワークショップにはよく来られるのですか?
-親子- いえ、今回はじめて参加しました。

-私- 子供さんはプログラムに興味があったのですか?
-親子- この子はただゲームが好きなだけなんですが、どうせならゲームを作る側も体験させたいなと思いまして。

-私- (子供さんに)楽しかった?
-子供さん- うん。

コンピュータースペースを遊んでいた親御さん

-私- 筐体ゲームは懐かしいですか?
-親御さん- ええ、もう懐かしくて涙が出ますね笑

-私- 昔はゲームセンターに入り浸って遊んでいたんですか?
-親御さん- もうずっとやっていましたね笑。家族ができてから行かなくなったのですが、昔を思い出します。

インベーダーの手書き仕様書を眺めていた方

-私- インベーダーの手書きの仕様書には、やはり感動を覚えますか?
-参加者様- 感動しますね。私らの時代はすでにデジタル化が進んで、すべて電子的にしか記録されないですからね笑。

-私- ゲーム関係のお仕事をされているのですか?
-参加者様- ゲームも扱いますが、主に基盤を作ったりする仕事をしています。

-私- やはりこの時代と今では、技術の進歩を感じますか?
-参加者様- 全然違うことを実感しますね。そこに展示されている基盤なんて、メモリの大きさに驚きましたよ。今は目に見えないほど小さくなっているので、ある意味"生メモリ"が見れて新鮮な気持ちです笑。

スタッフインタビュー

「あそぶ!ゲーム展」の筐体修理スタッフをされていた米山様にお話を伺いました。
-私- 20種類以上もの筐体が設置されていますが、もし故障したときの修理方法は把握されているのですか?
-米山様- はい、一応どんな筐体でも直せますよ。中身はそんなに変わらないので笑。でもこの筐体みたいにディスプレイ自体が壊れてしまったら、この場ではどうしようもないですが。

-私- 誰かがディスプレイを叩いたんでしょうかね?笑
-米山様- いえ、トラックでの運搬時に破損したようです。こんな大昔の筐体を運ぶには大きなリスクが伴いますね。

-私- 本当によくここまで多くの筐体を運んできたと思います。米山様は昔から修理が好きだったのですか?
-米山様- ええ、小さいころから家電製品を分解したり修理することに興味を持っていましたね。でも今の時代、壊れたら新しく買い替えるような習慣がもっと根付いたらいいのにとは思いますね笑。

-私- それは大量消費の時代だからですか?
-米山様- それもありますが、最近の家電製品は日進月歩で進化しています。その時代に遅れをとらないためにも、壊れたら買い替えて新たな体験を手にしてほしいですね。こんなこと言ったら私の仕事無くなっちゃいますけど笑。

主催者インタビュー

「埼玉ゲームシティ」を主催したソニックシティ(埼玉県産業文化センター)の、田中様と梅山様にお話を伺うことができました。
ソニックシティの田中様と梅山様。大変お忙しい中、快くお話をして頂いた。
-私- お疲れさまでした。埼玉ゲームシティを終えてどうでしたか?
-梅山様- 開場時にはすでに100人以上の参加者が来られていて、出だしから良かったと思いますね。今回はファミリー向けのゲームイベントということで、親子が一緒に楽しめるような企画を練りました。昔のアーケードゲームから最新のAR体験、そしてワークショップの開催まで、ゲームを遊びつくせる場にできたと思います。

-私- 確かに親子で参加される方が非常に多かったですね!ファミリー向けイベントにした理由や狙いはあったのですか?
-梅山様- はい。日本におけるゲーム文化は広まってはいるものの、ご家庭によっては悪い印象を持たれていることもあります。このような公の場でゲームイベントを開催し、少しでもゲームに対する印象を良くしたいという狙いがありました。

-私- ここまで子供連れが多いゲームイベントは初めて見ました。
-田中様- 実は埼玉県の公立小学校に、埼玉ゲームシティのチラシを配って回ったんですよ。教育機関の協力もあり、クラスの先生を通して児童たちに配ることができました。そのチラシを親御さんに見せて、じゃあ一緒に行ってみようかという流れができたのだと思います。

-私- 親子そろって参加してもらうための最高の手段ですね!ではこのチラシは、まさに小学校で配られることを想定してデザイン・制作されたのですか?
-田中様- その通りです。子供向けの最新ゲームから、親世代向けのアーケードゲームまでを押し出したチラシとなっています。

-私- 大変なご苦労だったと思います。ゲームイベントの開催は今回が初めてだったのでしょうか?
-田中様- はい、ソニックシティとしては初めてのゲームイベントとなりました。子供と大人が一緒に楽しめる企画を考えるのはもちろん、フロア内のレイアウトから筐体の搬入作業、ゲーム企業様とのアポイントメントまで、あらゆることが初めてで正直不安でいっぱいでした。結果としては多くのご家族に楽しんで頂けて良かったです。

-私- 私自身も楽しませて頂きました。人気ゲーム体験のブースでは、ゲーム会社の方が実際に来られていましたが、これらも綿密な企画の成果でしょうか?
-田中様- そうですね。SEGA様をはじめ多くのゲーム会社様にお声がけさせて頂きました。中でもシャドウバースで人気のCygames様とは、特に積極的なお取組みをさせて頂きました。
シャドウバースのイベントでは、埼玉ゲームシティのような子供連れの参加者は集まらないそうですね。より多くの子供たちにシャドウバースを知ってもらうために、今回のイベントには積極的に参加したいと言ってくださいました。

-私- シャドウバースは世界大会も開催する巨大なeスポーツゲームですが、まだ上を目指すか!と思っちゃいますね笑。 第2回埼玉ゲームシティのご予定はありますか?
-梅山様- 特に予定はありませんでしたが、今回の成果をみながら検討したいと思っています。もともとは当施設「ソニックシティ」の設立30周年記念事業として、特別にイベントを開催することになったのですが、ゲーム文化を広めるという意義をもって今後の開催を考えたいと思います。

予期せぬゲームブースも...

埼玉ゲームシティは家族参加が大多数で、子供たちの人数も非常に多かったです。
受付前のロビーでは、子供たちがチラシをグルグルに丸めて、兄弟チャンバラごっこが行われていました。
私の三脚がバチンと倒されたりと、予期せぬところにゲームブースは設置されていました笑。

まとめ

さいたま市の大宮で行われた「埼玉ゲームシティ」は、ファミリー向けのゲームイベントとして開催されました。
大昔のアーケードゲームから最新のAR体験、ワークショップまで、親子で楽しめるコーナーがたくさん用意されており、まるでゲーム業界の縮図のようなイベントでした。
そして埼玉県の小学校に本イベントのチラシを配った甲斐もあり、多くの子供連れで各フロアは賑っていました。

参加者の7,8割が子供連れということもあり、私のような1人で参加されている方にとっては、すこし肩身が狭いように感じました。
後ろに列をなしているゲームを1人で楽しむことは、それなりの精神力が必要なのです笑。

「埼玉ゲームシティ」は2019年3月2日と3日で行われましたが、来場者は25,800人にのぼりました。
これをきっかけに、各家庭のゲームに対する考え方も少しは変わったのではないかと思います。
eスポーツをはじめとする日本のゲーム文化の発展のために、ぜひとも「第2回 埼玉ゲームシティ」を検討して頂きたいと思います。
インベーダーゲームの手書きの仕様書。
友人同士での参加も見受けられた。
埼玉県の公立小学校に配って回ったチラシ。

執筆者Writer

AnTytle

2014年頃にAnTytleを設立。当初はプログラミング記事を書いていたが、2016年にYouTubeチャンネルのゲーム動画がヒットし、以来ゲーム分野にピボットした。